弁体と弁棒を独自の方法で連結することにより、従来不可能とされてきた弁棒にもライニングを施行。弁内部に全くステンレス部品を露出させず鋳鉄・ステンレス間に生じるガルバニ電池腐蝕を解消。 |
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右の写真はスイング逆止弁の弁体(ねじ込み型 弁座付き)が海水によって腐蝕されたものです。弁体はFC200、弁座はSUS304です。FC200にはタールエポキシが塗装してあります。 弁座のSUS304は全く腐蝕せず、弁体のFC200ばかりが腐蝕しています。なぜでしょうか? |
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上は電位の違う異種金属が接触したときの腐蝕のシステムを図解したものです。「鋼にいま酸素分子が1個拡散してきたとすると鉄原子が2個溶出する。ところが、(b)図のように同時に白金にも1分子の酸素が拡散してきており、さらに鉄原子が2個溶出 する。すなわち、腐蝕速度は倍になる。これをガルバニ腐蝕と呼ぶ。」
電位的に卑の金属を如何に保護してみても、塗装やライニングはパーフェクトではありません。バルブは摺動するものであり作動による剥離や、部品間の隙間、ピンホールなどの原因で電気を通してしまうのです。(例えばタールエポキシ塗装・ナイロンコーティング・エポキシ粉体塗装・ゴムライニング等々)
すなわちガルバニ腐蝕の環境がある限り腐蝕は起こってしまうのです。しかも、さらに都合の悪いことには、この塗装やライニングの欠陥部分の卑の金属である炭素鋼の面積に対して、海水に露出している貴の金属であるステンレス鋼の面積は圧倒的に大きいのです。
当社はこの問題の根本を解決すればバルブを腐蝕から守れると考え、ステンレス部品を海水に露出しない接液面全面をゴムライニングすることに成功しました。 すなわちガルバニ電池作用の起こらないバルブです。